導入前の課題

  • 平日21時までの開館など利便性の高い市民サービスを、限られた人員体制で
    効率よく提供できる新しいシステム基盤の構築

  • センター館と5つの分館の蔵書や利用者データを一元管理してシームレスに繋ぎ、
    市民の読書機会を幅広くサポートできる環境の構築

導入の効果

  • セルフ借出機や自動返却仕分機などのセルフサービス機器とシステムを
    開館前の短時間で連携し、カウンター業務を省力化
  • 他図書館での貸出状況を検索できる「広域検索」や、非来館で本を探せる
    「仮想本棚」を実装し、市民の読書体験と情報検索機会を拡大

導入したプロダクト/サービス

公共図書館システム「ELCIELO」

公共図書館システム「ELCIELO(エルシエロ)」は業界屈指の⾼速・⾼度な検索性、システム連携の柔軟性などの特⻑を有しています。毎年バージョンアップを⾏い、「進化する図書館システム」として常に最新機能を提供します。「ELCIELO」の導⼊によって地域住⺠の⽅々に図書館を⾝近な存在として感じてもらい、同時に図書館の「楽しさ」を知っていただくことで「来館者数」と「貸出冊数」の向上に貢献することを⽬指しています。

お客様インタビュー

 

新 出 様

富⾕市⺠図書館 副館⻑
ユートミヤ 副センター⻑
⽣涯学習課 参事

今野 善徳 様

宮城県富⾕市
企画部 複合図書館センター⻑

富⾕市様(宮城県)に、京セラコミュニケーションシステム株式会社(以下、KCCS)の公共図書館システム「ELCIELO」を採⽤いただきました。2026年5⽉
の複合図書館「ユートミヤ」開館にあたり、建物の建設やネットワーク構築、IC機器の導⼊など複数の事業者が関わる中で、KCCSはシステム導⼊に向けたさ
まざまな調整や運⽤⽀援などの役割を担いました。新規開館までの取り組みとその過程をご紹介します。

「住みたくなるまち⽇本⼀」実現を⽬指す富⾕市に、
新たな知と交流の拠点となる複合図書館「ユートミヤ」が誕⽣しました

宮城県のほぼ中央部、仙台市の北隣に位置する富⾕市は⼈⼝約5万2千⼈(2026年5⽉現在)。豊かな⾃然に囲まれた市域には、新興住宅地、商業施設、教育と
⼦育て環境などが整備されており、住み良さに関して⾼い評価を得ています。富⾕市ではまちづくりの将来ビジョンとして「住みたくなるまち⽇本⼀」を掲
げ、「100年間ひとが増え続けるまち」を⽬指しており、ビジョンの実現に向けて各種施策に取り組んでいます。地域の歴史・⽂化・資源や市⺠の声を積極的
にまちづくりに活かし、誰もが⽣涯を通じて安⼼して⾃分らしく過ごせる環境整備に⼒を⼊れている⾃治体です。

こうした市の理念を体現する新たなシンボルとして、2026年5⽉1⽇にグランドオープンしたのが富⾕市複合図書館「ユートミヤ※」です。市⺠図書館を中⼼
に、とみやスイーツを発信する「スイーツステーション」、⼦どもたちが遊びを通して創造性を育む屋内遊戯施設「とみのわパーク」、そして「成⽥市⺠セン
ター」が⼀体となった新しい複合施設です。「⼈がつながり、⽂化と創造性を育む、⽣涯にわたる学びと交流の拠点」を全体理念として掲げており、図書館エ
リアは知識や情報にアクセスし⼈がつながる「知の広場」としての役割を担っています。
※この愛称には、市⺠にとっての理想郷(ユートピア)と「富⾕」を掛け合わせた意味が込められています。

 
 
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「職員体制の確保」と「センター館と分館のネットワーク化」
新設館がクリアすべき課題解決の前に、運営のジレンマが存在

「ユートミヤ」新設決定に⾄るまで、富⾕市様では10年にも及ぶ市⺠とのワークショップを重ね、これからの図書館のあり⽅を模索されてきました。その中で、「質の⾼い情報提供ができる新しい図書館が欲しい」という願いと同時に「地域に根ざした公⺠館図書室も継続してほしい」という切実な声も寄せられていました。この双⽅に応えるべく、既存の6つの地区にある公⺠館図書室の運⽤体制を発展させ、センター館と5つの分館が併存する形で整備することを選択。センター館として地域の新たな知の拠点となる複合図書館「ユートミヤ」を開館されました。

新図書館が⽬指したのは、平⽇夜21時までの開館など、現代のライフスタイルに合わせた勤労者などにも利便性の⾼い市⺠サービスです。しかし、ここで直⾯したのが「職員体制の確保」でした。限られた数の職員で⻑時間の開館を⾏いつつ、いかにして安全かつ円滑に運営していくか。市⺠サービスの質と現場の運⽤負荷のバランスをとるためのシステム基盤が強く求められていました。

また、同時にクリアすべきもうひとつの課題が、市の「管理運営計画」に掲げられた「富⾕市ネットワーク型図書館の構築」です。これを実現するためには、新設されるセンター館とリノベーションされる5つの分館(各公⺠館)の蔵書や利⽤者データを⼀元管理し、利⽤者がどこにいてもシームレスに資料にアクセスできる仕組みが必要不可⽋でした。

KCCSが建物・IC機器・ネットワーク各事業者の「調整役」として牽引。
短期間でのシステム稼働とスムーズな開館を実現

この新設館の⽴ち上げは、建物の建設、ネットワーク構築、IC機器の導⼊など、多くの事業者が関わる⾮常に複雑なプロジェクトでした。しかも、建物の引き
渡しからシステム稼働までに残された期間はわずか2カ⽉あまり。
KCCSは図書館システム「ELCIELO」を導⼊するにあたり、既存システムからのデータ移⾏という難易度の⾼い作業を急ぐと同時に、各領域のベンダーや庁内関係部署とのハブ(調整役)としても機能しました。具体的には、システムに関連するネットワーク事業者やIC機器メーカー、デジタルサイネージ事業者、設計会社との間で発⽣する技術的な仕様調整やスケジュール調整をKCCSが先頭に⽴って巻き取り、現場の不確定要素を⼀つずつクリアにしていきました。

さらに、開館が近づくにつれて⾒えてきた現場のリアルな運⽤ニーズを汲み取り、現実的な提案を重ねていくなど、数年前に策定された初期の「管理運営計画」の構想と現場のすり合わせにも柔軟に対応しました。
タイトなスケジュールのなか、システムとIC機器の緻密な連携テストや、運⽤現場の導線を踏まえた調整も実施。「スケジュール通りにシステムを稼働させる」というベンダーとしての責務を果たし、⽇本でも有数の先進的な設備を整えた開館を裏側から⽀えました。

「ELCIELO」を中⼼に、業務の省⼒化・効率化と市⺠サービスを両⽴へ

こうして2026年5⽉1⽇に開館した「ユートミヤ」は、6⽉20⽇には早くも来館者10万⼈、8⽉20⽇には20万⼈を達成。多くの市⺠の利⽤が進んでいます。現
在「ユートミヤ」では、KCCSの公共図書館システム「ELCIELO」を中核として、⼤きく2つの軸でシステムが運⽤されています。

①IC機器との連携により、質の⾼い市⺠サービスを維持しながら徹底したカウンター業務の省⼒化を実現

来館者が⾮対⾯で貸出や返却ができるセルフ借出機や⾃動返却仕分機とシステムをシームレスに連携。⽇常業務の⼤部分を⾃動化することで、スタッフの配置が⼿薄になる夜間帯でもスムーズな利⽤環境を提供できる仕組みを構築しています。これにより、⽬標とされた「9時から21時までの開館」と「職員によるサービス時間・セルフサービス時間の分離」をシステム制御で安全に実現しました。
セルフサービスによる借出返却、予約受取、設備借出などが進むことで、職員の⽅々はカウンターでほとんど貸出返却業務を⾏うことはなくなり、サポートが必要な利⽤者がいる場合にのみ付き添って案内をする程度になっています。

KCCSはさらに、実際の職員様の動きや市⺠の利⽤動線を詳細にシミュレーションし、館内のどこに機器を配置すれば最も混雑を緩和できるか、案内画⾯の⽂⾔をどうすれば分かりやすくなるかなど、単なるシステム連携にとどまらない現場⽬線での最適なカスタマイズの提案も⾏いました。

エントランス付近 ⾃動返却仕分け機

セルフ借出機(デスク下のセンサーから本のICタグを⾃動読取)
案内カウンター(貸出返却は必要時のみサポート)
本や情報、資料を探すサポートを主に⾏う相談カウンター
座席・設備予約管理画⾯
予約室(予約していた本を職員を介さず受取)
 
 

②画像解析技術を活⽤した「仮想本棚」と広域検索「カーリル連携」で市⺠の読書体験をアップデート

また、システムには標準的な検索機能に加え、画像解析技術(SHELFEYE)を利⽤した「仮想本棚」を実装します。これはまさに、“蔵書検索の結果を背表紙の画像を⽤いてバーチャルな書架のように表⽰し、来館しなくても本を選びやすいユーザーインターフェース”という「管理運営計画」に⽰された市の構想を、KCCSが忠実に具現化するものです。富⾕市様の「本を探す楽しみを提供したい」という思いに応え、Web上で実際の書架を眺めるような直感的な本探し
が可能となります。

さらに、近隣図書館や国⽴国会図書館などの蔵書をWebサイト上で⼀括検索できる「カーリル連携」を備えることで、市内だけでなく広域での図書検索が可能となり、市⺠が求める情報へスムーズにアクセスできる環境を構築しました。
富⾕市様ではシステムに書誌情報をMARCデータの形で取り込む機能も実装しており、国⽴国会図書館が作成したMARCをメインとして導⼊しています。
これらの新機能の導⼊にあたっては、開館後に職員様が迷わず運⽤できるよう、富⾕市様専⽤のマニュアルを作成。実機を⽤いた操作研修やワークショップを重ね、本番へ向けて安⼼して運⽤いただけるようサポート体制を構築しました。
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(写真左から)新 出 ⽒、平⼿ 康裕(KCCS)

図書館を起点とした「⽣涯学習ネットワーク」の構築に向けて

「ユートミヤ」の開館は、富⾕市様が描くビジョンの第⼀歩に過ぎません。今後は、富⾕市産業交流プラザ「TOMI+」や富⾕宿観光交流ステーション「とみや
ど」、⼦育て⽀援センターといった市内拠点と図書館をつなぎ、「もの・ひと・こと」が交差するネットワークのハブとしての役割が期待されています。
また「ELCIELO」はすでに他⾃治体での学校図書館との連携実績を有しており、今後のデータ連携拡張をシステム基盤の側⾯から後押しできる設計となって
います。⼦どもたちが学校でも地域でもシームレスに情報にアクセスできる、富⾕市様全体の⽣涯学習環境のアップデートという今後の取り組みに貢献することも可能です。

富⾕市様からは、今後も図書館運営の⾼度化に向けた安定したシステム稼働と他⾃治体での先進的な取り組み事例の共有など、継続的な提案を求められています。
KCCSは、単にシステムを納品するベンダーにとどまらず、⾃治体様の図書館運営を共に考えるパートナーとして伴⾛します。開館当⽇に技術スタッフが現地に張り付き、トラブルを未然に防ぐ万全のバックアップ体制を敷いたように、今後も定期的な運⽤フォローアップを通じて現場の課題を丁寧に吸い上げていきます。そして⾃動化による「現場の省⼒化」を推進することで、⼈にしかできない「レファレンス」や「市⺠との対話」に職員の皆様が専念できる環境づくりを、システムの裏側から⽀え続けます。

左から:⼩⻄翼(京セラコミュニケーションシステム株式会社)、今野善徳様(富⾕市)、新出様(富⾕市⺠図書館)、平⼿康裕、⼩原昭伸(以上、京セラコミュニケーションシステム株式会社)

 

掲載日:2026年9月25日 

 

富⾕市⺠図書館

富⾕市⺠図書館は、2026年に開館したセンター館「ユートミヤ」と5分館で構成されていま す。「市⺠の、市⺠による、市⺠のための知の広場」という理念のもと、すべての⼈が知識を創造し、学びを深めることができる場の創出に取り組んでいます。

所在地
宮城県富⾕市
設立
2026年5⽉
職員数
計19名(2026年4⽉1⽇現在:会計年度任⽤職員を含む市の職員数)
URL
https://u-tomiya.jp/
  • 記載の製品ならびにサービス名および会社名などは、それぞれ各社の商標または登録商標です。
  • サービス内容は予告なく変更する場合があります。
  • 掲載されている情報は、発表日現在の情報です。最新の情報と異なる場合がありますのでご了承ください。
  • KCCSは京セラコミュニケーションシステムの略称です。

 

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