導入前の課題

  • 持続的な成長のためには全階層での収支意識の改革が必要だが、現場が納得するルールと定着・浸透を図る方法が不明
  • リーダー層の収支意識を向上させたいが、管理体制とルールが明確でなく、実績分析のための数字が見えない 。手作業による集計の負荷も大きい

導入後の効果

  • ルールの明確化と定着・浸透策により、全階層で着実に収支意識が向上 。安全や設備工事などに関わる部門からも現場発案による収益化の動きが続々と
  • システムを含む導入により、数字が可視化され、データ集計作業の手間も軽減 。収支の実績分析が効率化し、現場リーダー層を中心に「稼ぐ意識」が向上

導入したプロダクト/サービス

アメーバ経営コンサルティング

「アメーバ経営」の仕組み構築から運⽤定着を⽀援するコンサルティングサービスです。⽬標達成に全員で挑戦する組織⾵⼟の醸成と、運⽤を通じたリーダー⼈材の育成、⼀⼈ひとりの⾏動が変わることによる業績向上を⽬指します。

Amoeba Pro 管理会計クラウド

「Amoeba Pro(アメーバプロ)管理会計クラウド」(以下、Amoeba Pro)は、計画・予定の⽴案から実績
の集計作業を効率化し、⾃由度の⾼いレポートやグラフによる多⾓的な分析を実現。企業の実態把握・改善点
を具体的に洗い出し迅速な経営改善・意思決定をサポートします。

お客様インタビュー

 

貞苅 路也 様

取締役常務執⾏役員 鉄道事業本部⻑

髙山 智宏 様

執行役員 鉄道事業本部 工務部長

原田 宗幸 様

新大村新幹線工務所 所長

山中 浩司 様

鉄道事業本部 事業統括部 副課長

コロナ禍とそれに伴う固定費削減活動から見えてきた、
「未来の鉄道」を目指すための課題

「固定費削減の取り組みを進める中で、鉄道事業の3つの課題が見えてきました」
そう語るのは、BPR (Business Process Re-engineering) プロジェクトでチームリーダーを担った髙山智宏氏(現 執行役員 鉄道事業本部 工務部長)です。
※ 業務の本来の目的に向かって、既存の組織や制度を抜本的に見直し、プロセスの視点で、職務、業務フロー、管理機構、情報システムをリエンジニアリングする考え方

髙山 智宏 様当時、JR九州様はコロナ禍に伴う鉄道利用の落ち込みと収入減少に対し、鉄道事業の固定費140億円の削減を目標とするBPRに取り組んでいました。そこで見えてきた第1の課題は、固定費の削減の難しさだったと髙山氏は話します。鉄道会社は駅や線路を自社で保有し維持管理しています。駅と線路がある以上、列車の本数や乗客が少なくなっても、かかる固定費は変わらず、また法令に準じた検査もあります。収入が減っても固定費を同様に削減するわけにはいかないという問題がありました。

第2の課題は、コロナ禍の後も待ち構えるであろう経営環境の厳しさでした。福岡都市圏を除けば人口減少に直面しており、また災害の激甚化や電気代・燃料代の高騰も懸念されます。さらに同社特有の事情として、2016年3月期末に実施した鉄道事業固定資産の減損処理に伴う減価償却費の負担増加が見込まれ、収支を意識した仕組みづくりがよりいっそう求められていました。

そして第3の課題は、コロナ禍で浮き彫りになった鉄道事業で働く人たちの収支意識だったといいます。髙山氏は、「駅や営業の部門は収入を稼ぐ意識はあるのですが、施設部や工務部、運転の職場などの、どちらかというと経費を使う側の部門では、収入についてはほとんど意識されることがなく、毎年の予算をしっかり使い切るというのが通例でした。収支を意識した業務運営ができていなかったということですね。コロナ禍で収入が急に落ち込んだ時期でさえ、経費を節減する意識がなかなか働きづらいという現実がありました」と振り返ります。

こうした数々の難しい問題を抱えながらも、経費の節減、サービスレベルの適正化、検査・保全の効率化など全社的な努力を積み重ね、2022年度(2023年3月期)に140億円の固定費削減というBPRの目標はひとまず達成することはできました。しかし、「BPR は経費節減一辺倒でしたので、社内の雰囲気が暗くなってしまったという側面もありました。そこで次の目標としては社員の夢の部分ですね、こうした厳しい環境の中で将来の鉄道があるべき姿やありたい姿というものをしっかり描いて、今何をするべきかを全社的に考えていかなくてはいけません。そこで、事業構造改革を推進すべく『未来鉄道プロジェクト』をBPRに引き続いて立ち上げました」と髙山氏。

未来鉄道プロジェクトは、髙山氏とBPRのチームメンバーがそのまま移行する形でスタートしました。そして、持ち越された課題の一つである収支意識を職場単位でしっかり見直していこうと、財務部のメンバーも加え、未来鉄道プロジェクトの一つのカテゴリーとして「未来の収支管理」という名前で新しい仕組みづくりが始まりました。

 
 

「未来の収支管理」を目指して、アメーバ経営の導入を検討。提示されたスキーム案に、ビジョン実現への期待が

しかし、自社で収支管理の仕組みづくりを検討するには、さまざまな難しさがあったといいます。「一番悩んだのは、やはり収入の配分をどのような形で行うのが適切なのかということですね。各部門の業務は違いますし、例えば私自身も土木や保線の仕事をしていますが、そうした部門の収入をどのように考えて、割り当てればいいのかに悩みました」と髙山氏。

社員が納得してくれる収入の配分の仕方や、それをどのように管理していくのか、管理する部門はどこにするのかということも含めて、社内で作成した案には経営陣もなかなか了解してくれなかったといいます。

そんな時、同じ運輸業界の日本航空(JAL)様が経営再建時にアメーバ経営を導入した経緯を聞き、コンサルティングを担当したKCCSの存在を知ります。アメーバ経営とは、組織を「アメーバ」と呼ばれる小集団に分けて独立採算で運営し、経営者意識を持つリーダーを育成することにより、全社員が主体的に関わる「全員参加経営」を実現する経営手法です。JAL様との意見交換を経て、KCCSに相談、2021年8月からアメーバ経営の導入可能性について具体的なディスカッションが始まりました。

髙山氏は、次のように当時を振り返ります。

「そもそもアメーバ経営が本当に当社に適しているのか、ということもありましたので、JR九州に適用するならどういうスキームをご提案していただけますか? とまずは率直に申し出をさせていただくことにしました。KCCS様には当社の鉄道事業の状況をご説明した上で、3カ月ほどの期間を調査・ヒアリングと全体計画の策定に充てていただきました。そこでご提案いただく内容になるほどと納得できれば次の具体的な導入ステップに進むということで、社内もオーソライズした上でのご依頼でした」

提示されたKCCSのスキーム案(全体構想)を見た当時の感想はどのようなものだったのでしょうか。

原田 宗幸 様

導入時に鉄道事業本部で「未来の収支管理」の事務局業務を担当された原田 宗幸氏(現新大村新幹線工務所所長)は、「自社で収支管理の仕組みを構想していた際は、会社全体の収入をどう割り振るかという点がやはり難しく、考えれば考えるほどますます混迷して行ったというのが正直なところです。自分達が作った試案では納得し切れない部分が多かったのですが、KCCS様の全体構想は、組織体制や各部への収入の割り振り方法だけでなく、意識すべき心構え (フィロソフィ)、ルールや運用の定着・浸透策まで練り上げられていて、それまでの疑問や違和感がスッキリしたのを憶えています。このスキーム案なら、我々が目指す収支管理が実現できると思いました」と話してくださいました。

ここでKCCSの提示したスキーム案の主要なポイントを、実際に行われた見直しの対応も含めて順に見ていきます。

 

 

【収支管理の部門を新設、そこに権限を委譲・集中】

まずは組織体制です。以前は営業部、運輸部などといった系統別の予算管理と支社別の予算管理が混在し二重管理となっていたところを、全て系統別に統制する体制に。また、鉄道事業の収支を取りまとめ、ヒト・モノ・カネを一元管理する「事業統括部」を新設しました。狙いは、収入の最大化と各部に対する経費の最小化というアメーバ経営の考え方に基づいた収支管理の一本化と周知徹底にありました。同社では以前にも収支改善のための部署をつくられたことがありましたが、その当時は当該部門に十分な権限が与えられず思うような結果を得られなかったという反省とKCCSの助言もあり、最終的には、購買や人事も含めた収支管理を行うために必要な権限を全て付与する形で事業統括部を立ち上げることになります。

【収入の割り振り方法の提示】
次に収入の割り振りですが、組織の改編により、運賃・料金などの外部からの収入は全て事業統括部の収入となります。各部は事業統括部から各業務の運営を受注する形とし、鉄道事業への貢献に対する対価を収入として受領します。工務部を例に取れば、鉄道を運行するにあたって必要な設備維持管理のための工事を、事業統括部から工務部が「受注」するような形です。各部は貢献対価の範囲内で費用を抑え、最大パフォーマンスを出して利益を計上、事業統括部と各部で計上した利益の合計が鉄道事業全体の利益となるというスキームが提示されました。
 
収入の割り振りスキーム概要(イメージ)
 
 【収支管理の心構えの提案】
またスキーム案で特筆すべきは、こうした収支管理を行う上で、リーダー層をはじめ全員に意識してほしい 「心構え」の定義を提案した点です。この「心構え」は「安全・サービスと収支の両立」というJR九州様の鉄道事業における収支管理の目的を見失うことのないよう、求められる行動や役割、目指す姿を整理したものです。原田氏は、この「安全・サービスと収支の両立」と「心構え」について振り返ります。
「安全の追求や、お客さまに満足していただけるサービスを提供しようとすると、そこにはお金がかかります。それを『収支』という観点だけで追い求めれば、安全やサービス品質をかえって下げてしまうことにつながるのではないかという懸念が各経営幹部も含めて正直ありました。しかし、KCCS様からは、全く別の思想をご説明いただきました。それは、この両者はトレードオフではなく、しっかり収益を上げることで、初めて安全への投資が可能となり、お客さまに満足していただける価値を提供できるという相互に支え合い好循環を生む関係でした」
原田氏は、JR九州という公共性の高い会社で働く一員として、収益を上げることが会社を良くするだけではなく地域や社会に還元することにもなる、その“意義”に大きく共感できたといいます。また、KCCS提案の「心構え」に「会社全体の利益を考えた行動」の重要性が一つの柱として取り入れられていた点も評価され、「例えば個々の収支意識が向上したとしても、自分の職場の収支や効率を優先するあまり、他の職場に人的サポートなどの協力をしなくなるようでは意味がありません。それぞれが収益の最大化を目指しながらも、互いに協力することが会社全体の大きな利益につながるのだという意識を全員に持ってもらうことが収支管理には不可欠です。収支の見える化にあたって、最初にこの点を『心構え』に盛り込んでいただけて良かったと思っています」と語ります。
 

KCCS 白坂直哉
KCCS コンサルティング部 部長の白坂直哉は、この点を振り返り、

「京セラの考え方 (フィロソフィ) をそのまま移植しても意味がありません。経営理念を崩すことなく、JR九州様が大切にしている価値観を、できる限り現場の人に分かりやすい言葉で伝えるという点に特に気を配りました。皆様と何回も議論しながら用語も選んでいきましたが、フィロソフィを『心構え』などの分かりやすい用語にすることで、皆様にも理解していただきやすくなったのかなと思います。社会インフラを扱っている会社様ですので、安全やサービス品質と収支が両立できると分かっていただくことが一番のポイントでした」と話しました。
 
 
 
 
 
「収支みえーる」の収支管理を行う上で実践すべき行動と目指す姿
 


入念なシミュレーションと試運用を重ね、「収支みえーる※1」の本格運用へ。
定着・浸透までも見すえた各種のサポートも

原田氏がコンサルティング導入決定までの経緯について振り返ります。(写真左から)原田 宗幸氏、藤野 仁氏(事業統括部)

「スキーム案には全員が納得でしたが、本当にこのスキームで期待する収支の見える化ができるのかという不安がありました。すぐに実施を判断するのではなく、過去の経営データを使って本当にそういう収入が計上できるのか試してみた方がよいのではないかと経営陣からも助言がありました。ただ、当社の古い経営システムを改修してシミュレーションし、実際に運用していくのは現実的ではありません。そのあたりの悩みをKCCS様にご相談してみたところ、3ヵ月ほど時間をもらえれば『Amoeba Pro』でシミュレーションして仮の数字を作れるか試してみますよとご提案をいただきました。自社だけではシステムの導入もかなり難しかったので、提案していただいて非常に有り難かったですね」

 
※1 アメーバ経営を鉄道事業にカスタマイズした管理会計「収支みえーる」

(写真左から)原田 宗幸氏、藤野 仁氏(事業統括部)

シミュレーション結果も納得のいくものとなり、2022年3月に無事に導入決定した後は、整理されたスキームをさらに詳細に落とし込むフェーズに入りました。「組織改正」 「収支管理の試運用」 「心構えの階層別研修」 「Amoeba Proの全社レベルでの試運用」 それぞれの要素が導入スケジュールに沿って着実に推進されていきました。
原田氏は、この試運用フェーズにおいてもKCCSの申し出とサポートが心強かったといいます。
シミュレーションおよび試運用は主要な部門が中心でしたが、より広範囲な本運用となると部門だけでなく、より細かな課や職場単位で運営いただく方々に納得してもらわないと上手くいきません。
半年ほど時間をかけて、自分の職場で発生する費用の「見える化」を経験してもらった上で本格導入していくというステップをここでもKCCS様からご提案いただきました。本格導入への地ならしとして、アメーバ経営の文化にも慣れてもらうことも兼ねて各主管部の部長や課長クラスの方にも入っていただくことになりました。半年の試運用と『見える化』という丁寧なステップを踏んだからこそ、少しずつですが定着・浸透していったのだと思います」と原田氏。

「収支みえーる」導入プロセスとコンサルティングが目指すもの(概略)

 

2023年4月に組織が改正され、いよいよ「収支みえーる」の運用が本格的に開始されました。
収支の見える化ができるからといって、アメーバ経営コンサルティングは終わりではありません。リーダー層だけでなく全社員の意識の変化を促し、行動を変え、定着・浸透を図るためのサポートこそが重要です。
KCCSは、主管部門だけでなく現場の課レベルやアメーバ (小集団) レベルの会議にも参加し、「収支みえーる」の浸透度合いを細かく確認し、評価表を付けて良かった点、不足している点を定量化しながらフィードバックし、取り組みの改善につなげるなどのサポートを行いました。

また、KCCSから見て収支分析の進め方が理想的と思われる部門の会議は動画撮影・編集して教材化し、目指すべき会議運営の模範例として全社に共有、全体レベルの底上げにつなげました。さらに、会社としてなぜ「収支みえーる」に取り組むのか、その必要性と意義について社長が語るメッセージ動画や、鉄道事業本部長から部長・所長に向けたメッセージなどのツール制作をサポートしました。こうした浸透・習得のための教材が用意されれば、階層別研修、新任のリーダー研修、新入社員研修など、今後さまざまな場面で「収支みえーる」の必要性と意義を振り返ることができ、継続的に浸透を図ることが期待できます。

(写真左から)三島 裕貴、白坂 直哉(以上、KCCS)KCCS白坂は、こう補足します。

「模範例となった部門の定例会議には半年くらいの間、毎月参加させてもらいました。改善を繰り返した結果、非常に高いレベルに到達していただけたと思います。また、我々が会議に出た時に評価表を付けますが、どういうことを習得すべきかをそこで言語化して各責任者の方と判断基準を合わせるよう務めました。現場リーダーの皆さんに目指してもらいたい姿をさまざまな形で共有していくことで定着・浸透を進めていきました」

 

 

 

 

(写真左から)三島 裕貴、白坂 直哉(以上、KCCS)

原田氏も、KCCS様に会議に入ってもらったことで、我々社内の人間では伝えにくいような評価も率直に言っていただけました。そのおかげで、リーダーの方々にも改善すべき点に気づいてもらえたと思いますし、我々が伝えるよりも深く理解してもらえたと思います」と振り返りました。
実運用が始まる中では、現場から 「収支みえーる」 業務の負荷が増えることに対する不安や不満の声が上がることもありました。事務局として現場を説得する立場であった原田氏も、「やることが増えている実態はありましたが、一方で各現場に予算を使う権限を与えたことで組織運営の自由度が増すというメリットを丁寧に伝えていきました」と語り、現場の声に真正面から向き合いながら定着を図っていった当時の苦労を明かしてくれました。また導入当時は各部の担当として現場で運用にあたっていた山中 浩司氏(鉄道事業本部 事業統括部 副課長)からも、「KCCS様もミーティングの場などでそのメリット・デメリットについて真摯に回答・サポートしてくださいました」と、現場に寄り添う姿勢を評価していただきました。

導入後は「収入・経費・時間」への意識が向上。現場発案の収入アイデアも次々と

「収支みえーる」の本格運用から約3年が経ちました。現場リーダー層の行動に変化は生まれているのでしょうか。現事務局を担当する山中氏はこう話します。山中 浩司 様(鉄道事業本部 事業統括部 副課長)

「最近では『収支みえーる』が合い言葉になった印象がありますね。あらゆる場面で『収入・経費・時間』といった数字について、自然とリーダー層の意識が高まっていると感じています」山中氏によると、「Amoeba Pro」の導入により、これまで特定の担当者に頼っていたデータ集計作業から解放され、誰もがスピーディに実績を確認できる環境が整ったそうです。データが早く集計できることで会議前の分析に時間的な猶予が生まれたほか、数字が可視化されたことで事前に目標を定め、事後に収支を振り返り、次にどう生かすか”といった具体的な議論ができるようになったといいます。
また、今までは経費を使うだけだった部署も、収入を稼ぐという意識が徐々に高まってきた印象があるとのこと。

「例えば工務系で管理している用地を外部の方に利用していただく斡旋をしたり、設備工事の技術力をアピールして、JR九州が保有している設備だけでなく鉄道沿線にある外部の設備に対する工事を受注したりする例も増えてきています。こうした付加的な収入を得る経験を増やして、工務系の収入というスキームを走りながら作り上げているというのが現在の段階かと思います」と、導入後に生まれた新たな収入の例を原田氏からも挙げていただきました。

さらには、現場で業務にあたっている社員から「こういうことも収入にできないですか?」 というアイデアが多く出るようになったと言います。山中氏からも、例えば、撤去時にこれまでは廃棄していた古い駅名標などをイベントで販売したり、鉄道ファンが喜ぶ形に商品化したりするなど、さまざまな形で収益化を図る試みが増えているとご紹介いただきました。

 

髙山 智宏 様 (執行役員 鉄道事業本部 工務部長)導入当時は「収支みえーる」を管理する立場で、今は工務部の部長として実際に現場単位での運用にあたる髙山氏も、「毎月の業務の運営もスケジュールに関する部分でもそうですが、今は『収支みえーる』を中心にいろいろなことが回っていると感じます。現状では予決算管理と重複する業務も多く、大変な部分もありますが、収支が見えるようになったおかげで、稼ぐことのアイデアも約200あるアメーバから生まれるようになってきています。それはBPRを経て、KCCS様とも一緒に継続して取り組んできたここ数年間の大きな成果だと思いますので、その文化はしっかり根付かせていかなくてはいけないなと思います」と話してくださいました。

 

 

 

 

「稼ぐ」意識を全社でさらに育み、未来を見据えた全員参加型の経営へ

最後に、収支の見える化を行った今、見えてきた次の課題や経営者視点からのご感想などを、鉄道事業本部の責任者である貞苅路也氏(取締役常務執行役員 鉄道事業本部長)に伺いました。

貞苅 路也 様 (取締役常務執⾏役員 鉄道事業本部⻑)「私が収支意識の向上を実感する例として、保線など技術関係の職場が挙げられます。さまざまな業務の中で新しいものを開発する仕事もあるのですが、今までは開発したものを発表するだけで終わっていたケースがほとんどでした。しかし稼ぐ意識が上がって来た今では、それをしっかり特許を取って収益化していこうとする動きも出てきました。

自分たちの技術力のアップにもつながり、結果それで収益が上がるという良いサイクルが少しずつ出始めているのかなと思います。これも『収支みえーる』を始めた成果の一つだと思っています。ただ、今はそうした芽がようやく出始めた段階といいますか、全員参加という観点では今後さらに成熟させていく必要があると思っています」

 

 

 

そして、同様の課題を持つ企業へのメッセージとKCCSへのコメントで締めくくっていただきました。

「私たちも、まだまだ試行錯誤の段階ですが、同じように全社の収支意識を高めて、サービス品質やお客さま満足、そして収支も両立させたいというような課題を抱える会社様にとっては、KCCS様のアメーバ経営コンサルティングにはそれを解決へと導くきっかけと足がかりがたくさんあると考えています。

KCCS様には、これまでも3年間しっかりと伴走していただきました。これからは私たちで自走していくような段階になろうかと思いますが、その中でまたお力をお借りする場面もあるかもしれません。その際は、これまでと同様に厳しく温かくご支援いただければと思います」

掲載日:2026年7月13日 取材日:2025年3月25日

 

九州旅客鉄道株式会社

JRグループの旅客鉄道会社の一つとして、九州地方に九州新幹線・西九州新幹線と在来線の各鉄道路線を有し、2025年4月1日時点で総営業キロ数2,342.6km、597駅を運営。鉄道事業を基盤に、不動産業、旅行業、小売業などの関連事業も多角的に展開されています。

本社所在地
福岡県福岡市
設立
1987年4月
社員数
7,738名(2026年4月1日現在)
URL
https://www.jrkyushu.co.jp/
  • 記載の製品ならびにサービス名および会社名などは、それぞれ各社の商標または登録商標です。
  • サービス内容は予告なく変更する場合があります。
  • 掲載されている情報は、発表日現在の情報です。最新の情報と異なる場合がありますのでご了承ください。
  • 「アメーバ経営」に関する権利は京セラ株式会社が保有しています。
  • KCCSは京セラコミュニケーションシステムの略称です。

 

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