マイナンバーカードで図書館利用がもっと便利に!連携方法とそのメリットを解説

近年、図書館はマイナンバーカードを活用することで、利用者にとっての利便性を向上させています。このコラムでは、マイナンバーカードとは何か、その図書館システムへの連携方法、そして具体的なメリットについて詳しくご紹介します。
目次
マイナンバーカードとは?
マイナンバーカードは、日本の住民基本台帳に基づく個人番号カードです。氏名、住所、生年月日、性別などが記載された顔写真付きのICカードで、個人番号(マイナンバー)を証明するためのものです。カード本体だけでなく、カードに埋め込まれているICチップを利用して、オンライン上で本人であることを証明できます。また、本人確認書類としての利用だけでなく、各種行政手続きの簡素化やオンライン申請など、さまざまなサービス利用の効率化を目的としており、さまざまな場面で利用されています。
図書館システムへの連携方法
マイナンバーカードを図書館システムに連携させる方法は、主に2種類あります。(2025年6月時点)
- マイキープラットフォーム等活用ソフト
- 市民カード化構想PPID方式
マイキープラットフォーム等活用ソフト
この方式では、図書館カードに記載された利用者番号とマイナンバーカードの「マイキーID」を結びつけることで、マイナンバーカードを図書館カードとして利用できるようになります。
マイキープラットフォーム等活用ソフトは、デジタル庁が管理する「マイキープラットフォーム構想」に基づくシステムに接続するための装置です。この構想では、公共施設や商店街などのさまざまなサービスの利用者番号をマイナンバーカードの「マイキーID」と結びつけることで、1枚のマイナンバーカードで情報管理が完結します。マイキーIDとは、マイナンバーカードのICチップ内にある利用者証明用電子証明書発行番号に対応して利用者が任意に発行するIDです。マイナンバーとは異なる番号であるため、プライバシー保護にも配慮されています。
この方式の最大の利点は、既存のシステムに改修を加えることなく導入できる点です。そのため、導入コストを削減でき、迅速なサービス開始が可能になります。加えて、システム利用料や公的個人認証サービスの手数料が無料であるため、運用コストの低減も期待できます。これにより、図書館はより多くの市民に効率的かつ低コストでサービスを提供できるようになります。
市民カード化構想 PPID方式 (デジタル庁管轄)
PPID方式では、サービスに対して固有のユーザー識別番号(PPID)を発行します。これは、図書館の利用者番号やポイントカード番号といった情報を、マイキーIDで一元管理するマイキープラットフォーム等活用ソフトとは異なり、サービスごとに利用者証明用電子証明書に紐づく固有のIDが発行されます。例えば、図書館の利用者番号にはPPID①、ポイントカードにはPPID②というように、異なるIDが発行されます。これにより、個人情報の安全性が強化されると同時に、図書館を含むさまざまなサービスをマイナンバーカード1枚で利用できるようになります。
この方式は「市民カード化構想」の一環で、デジタル庁が推進しています。この構想が目指しているのは、さまざまな市役所サービスをマイナンバーカード1枚で受けられるようになる社会です。そのために、マイキープラットフォームをさらに拡充し、施設の利用にとどまらず、市役所サービスでもマイナンバーカードが使えるようにしています。
この方式では、類型①・類型②に分けてサービスを提供しています。図書館システムにおいて、類型①では、マイナンバーカードの暗証番号を図書館カード登録時に使用し、以降の資料の貸出や予約時には不要になります。類型②では、専用アプリを導入すれば、マイナンバーカードと図書館カードの連携を携帯上で行うことができるため、さまざまな窓口業務を縮小することが可能です。
【出典】マイナンバーカードの市民カード化構想を進めるために(デジタル庁国民向けサービスグループ マイナンバーカード・OSS班)スライド18
マイナンバーカードの登録方法
マイキープラットフォーム等活用ソフトの場合
マイキープラットフォームでのマイナンバーカードへの登録は、図書館システム上で行うことができますが、利用者が事前にマイキーIDを設定しておく必要があります。マイキープラットフォームは各サービスのマイキーIDを管理しており、マイキーIDに図書館カードの利用番号を紐づけることができます。紐づけが完了すると、マイナンバーカードを図書館カードとして利用できるようになります。
2回目以降の図書館利用時にマイナンバーカードを読み取ると、図書館システム上からマイキープラットフォームにアクセスされ、マイナンバーカードに組み込まれている電子証明書から対応するマイキーIDを照会し、マイキーIDに対応している図書館カードの利用番号を照会・認証することで、マイナンバーカードを図書館カードとして利用できるようになります。
市民カード化構想 PPID方式の場合
PPID方式でのマイナンバーカードへの登録は、図書館システムから行うことができます。図書館システム上からマイキープラットフォームにアクセスすると、マイキープラットフォームからJPKIへ電子証明書の有効性が確認されます。その後、マイキープラットフォームへ返却されるとPPIDが発行され、図書館システム内にPPIDが図書館利用番号に連携されます。2回目以降の図書館利用時にマイナンバーカードを読み取ると、マイキープラットフォームから利用者証明用電子証明書の有効性が確認され、PPIDが図書館システムに返却されることで、図書館のサービスが利用できるようになります。
マイナンバーカード連携によるメリット
図書館の利用登録手続きの簡素化
マイナンバーカードを使うことで、図書館の利用登録手続きが簡素化されます。また、図書館システム上で簡単に行えるため、申込書の記入や証明書の提示が不要になります。
非接触の窓口対応を可能に
図書館でマイナンバーカードを利用すると、カードの暗証番号(PIN)の入力なく、機械にかざすだけで貸出や返却といった基本的なサービスが利用できるようになります。この機能を利用するには、対面利用であり、かつ2回目以降の場面で、といった条件はありますが、これによりカードの受け渡しが不要になり、非接触での窓口対応ができるようになります。
他図書館やサービスでの利用
マイナンバーカードは複数の図書館カードの登録が可能です。現在、図書館ごとに図書館カードが発行されていますが、それらをマイナンバーカード1枚にひとまとめにして利用することができます。さらに、図書館サービスだけでなく、他の公共サービスとも連携することができます。「マイキープラットフォーム構想」や「市民カード化構想」に基づき、マイナンバーカード1枚で多様なサービスを利用できる社会を実現することが目指されています。このため、図書館カードの代替としてマイナンバーカードを導入することで、図書館でのサービスだけでなく、他サービスも同じカードを使って利用できるようになります。これにより、サービス利用時に必要なIDが1つのカードにまとめられ、情報の一元管理が可能となります。結果として、利用者の利便性が大幅に向上します。
ELCIELOでの利用
当社が提供する図書館システム「ELCIELO」は、「マイキープラットフォーム等活用ソフト」と「市民カード化構想PPID方式」の両方に対応しており、かつ連携実績があります。
ELCIELOの対応状況については以下の通りです。
機能 | マイキープラットフォーム等 活用ソフト |
市民カード化構想PPID方式 |
カウンター業務 | 〇 | 〇 (ver. 3.7) |
セルフ貸出機 | 〇 | 〇 (ver. 3.7) |
また、ELCIELO Ver 3.7ではオプション機能としてデジタルIDアプリ「xID」(クロスアイディ)との連携が可能です。「xID」のアプリ上よりマイナンバーカードで本人確認を行うことができるため、簡単にログインができるようになります。
詳しくは、当社までお問い合わせください。
まとめ
図書館とマイナンバーカードの連携が進む中、利用者は今後ますます便利で効率的なサービスを受けるようになっていくでしょう。マイナンバーカードを活用することで、図書館の利用が一層スムーズになり、より多様なサービスが提供されることが期待されます。これからさらに進化する図書館サービスが、利用者のさまざまなニーズに応える形で充実していくことが期待されます。

KCCSマーケティング編集部
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