東急不動産株式会社 公共・産業用太陽光発電システム
国内初の洋上浮体式太陽光発電設備設置と
保有施設の100%再エネ化に工事品質の高さと調整力が貢献
高い工事品質と案件調整力により「RE100 ※1」の認定を推進。国内初となる「洋上浮体式太陽光発電設備」の海面設置も担当
※1 企業が自社事業の使用電力を100%再エネで賄うことを目指す、国際的なイニシアティブ

選定ポイント
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これまでの屋根設置型太陽光発電システムにおける施工実績
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安全に配慮した工事品質や複数案件を安定稼働させる調整力
導入の効果
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自社保有施設において100%再生可能エネルギーへの切り替えにより、
国内事業会社初(金融機関を除く)「RE100」認定 -
自社での活用だけでなく環境に配慮したいテナントニーズにも対応した物件の提供を実現
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国内初となる「洋上浮体式太陽光発電設備」を海面に設置し順調に実証実験を実施
導入したシステム/サービス
公共・産業用太陽光発電システム
- 公共・産業用太陽光発電システム(以下、当サービス)は、官公庁施設、学校、医療・福祉施設、企業のビル・工場、公園用電源システムなどに対応した太陽光発電システムの構築を提供。当社の強みである電気工事と建設工事のノウハウを活かし、立地や建物の形状、電力設備に応じた最適なシステムをご提案します。
メガソーラー(水上)
- メガソーラー(水上)には多くの利点があり、第1にソーラーパネルが水面を覆うことにで、藻など水草の異常発生を抑制する効果があります。第2に造成工事による森林伐採や地盤改良の必要がなく環境負荷を低減します。第3に水上での冷却効果により太陽電池の温度上昇が抑えられ、発電効率もあがります。当社では地上や大規模建物の屋根上に加え、貯水池やダムといった水上での施工実績を多数有しています。
お客様インタビュー
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都市事業ユニット都市事業本部
渡邉 聡 様
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インフラ・インダストリー事業ユニット 環境エネルギー事業本部
谷 菜々香 様
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インフラ・インダストリー事業ユニット 環境エネルギー事業本部
平林 夏生 様
全社方針に「環境経営」を掲げる東急グループ。中でも2014年から再生可能エネルギー事業に取り組む東急不動産株式会社(以下、東急不動産)は、2022年に保有する全204施設にて、使用電力の100%を再生可能エネルギーに切り替え。2024年には国内事業会社で初となる「RE100」の達成企業として認定された。
京セラコミュニケーションシステム株式会社(以下、KCCS)では、東急不動産が所有する物流施設「LOGI'Q」の広大な面積を活かした「屋根設置型」の太陽光発電システム導入などを支援。また東急不動産が、東京都が実施する東京ベイeSGプロジェクト「先行プロジェクト」※2の一環として行った、国内初となる「洋上浮体式太陽光発電設備」の海面設置にも、導入計画から施工・整備に携わった。
東急不動産がKCCSを選定したポイントや導入効果について、同社の渡邉 聡氏、谷 菜々香氏、平林 夏生氏に話を伺った。
※2 自然と便利が融合した持続可能な都市の実現に向け、中央防波堤を実証フィールドとして活用し、最先端テクノロジーの社会実装に取り組むプロジェクト
屋根設置型太陽光発電システムを設置し
自社施設を再エネ電力に切り替え「RE100」に認定
2023年に設立70周年を迎え、常に新たな不動産ビジネスの価値創造を追求してきた東急不動産。都市開発や住宅・インフラ・海外事業までを幅広く展開する総合不動産企業の同社では、2014年より再生可能エネルギー事業の取り組みを開始。
2022年には東京ポートシティ竹芝や渋谷フクラスなど、同社の国内保有施設で使用する電力の100%を再生可能エネルギーに切り替え、2024年に国内事業会社初となる国際的イニシアチブ「RE100」に認定された。※3
※3 国内事業会社初 東急不動産が「RE100」達成 オフィス・商業施設・ホテルなど対象の全204施設を再エネ電力に切り替え RE100事務局であるCDPより正式な審査を経て認定(2024/04/25)
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同社は全国の保有施設・事業所の敷地面積を効率的に活用する目的から、施設の屋根上に太陽光発電システムを設置する「ルーフトップ事業」を積極的に推進する。2025年2月末時点で設置数は全1,078棟、総定格容量は約149.9MWにのぼるという。
KCCSでは、東急不動産が全国に保有する物流施設「LOGI'Q」屋根上の太陽光発電システム導入を支援。「KCCSとは、弊社がメガソーラーを導入していた時代からお取り引きさせていただいています。設計から施工までを安心して任せられる品質の高さから、長らく太陽光発電システム導入をご支援いただいています」と、ルーフトップ事業推進を担当する谷氏は語った。
安全に配慮した工事品質と常に複数案件を安定稼働させる調整力が
継続の決め手
屋根設置型太陽光発電システムの設置にあたり、施工パートナーとしてKCCSを選定したポイントとして谷氏は「現場まわりを一気通貫で任せられる高い調整力や安全へ配慮した工事品質」を挙げる。
屋根設置型太陽光発電システムは、人通りの多い街中施設への設置工事となることが多いため、周囲への安全配慮が欠かせない。また物流施設への設置については、建設を進めるゼネコンや施設責任者などと頻繁に調整が必要となる。加えて稼働中の物流施設であれば、施設の営業活動に支障をきたさないようスケジュールや安全への配慮が求められる。
「関係者が多く複雑な現場調整や施工管理であっても、KCCSの多くの施工実績から得られた経験や技術力、安全面への配慮を信頼しているため、安心してお任せできます。一つ一つの案件が短納期なルーフトップ事業ではスケジュール管理や調整も複雑となりますが、予定通りの納期で対応いただけています」と谷氏は評価した。
同社はKCCSと年間を通じて、常に複数案件を進行している状態だというが、全体の進捗共有は週次での定例会にて行い、案件ごとの細かい調整や確認事項は担当者間で連携を取り、密なコミュニケーションを取ることで、スケジュール通りに進行していると谷氏は説明した。
谷氏は導入効果として、全保有施設における100%再生可能エネルギーへの切り替えだけではなく、発電事業者としてテナントニーズに応える再生エネルギーの供給ができている点を挙げた。
「テナント様からの再生可能エネルギー導入ニーズは高まり続けています。弊社の保有施設は100%再生可能エネルギーを活用していますので、テナント利用してくださっているお客様も『100%再生可能エネルギー』の使用を対外的に訴求いただくことができます。国際的にも企業における環境課題への取り組みが今後より一層重要となることを踏まえ、弊社がステークホルダーとなり、お客様にもさらに良い影響を提供していきたい」と語った。
東京都のプロジェクトにて、国内初の洋上太陽光発電設備設置へ
同社の「洋上浮体式太陽光発電」事業は、保有施設の100%再生エネルギーへの切り替えなどを行った再エネ事業の経験を活かした取り組みであり、東京都が自然と便利が融合した持続可能な都市の実現に向け、中央防波堤を実証フィールドとして活用し、最先端テクノロジーの社会実装に取り組む、東京ベイeSGプロジェクト「先行プロジェクト」に2022年度に採択された。(2024年度末終了)※4
本プロジェクトにおいて、同社は東京都と連携しオランダの洋上浮体式太陽光発電企業とともに国内初となる洋上浮体式太陽光発電の実用化を目指すとともに、洋上にて生成された再生可能エネルギーの活用や、蓄電池の海上輸送実証を行うことで、東京ベイエリアにおけるエネルギーの地産地消の実現をめざした取り組みを行った。
※4 東京ベイエリアにおける最先端技術の社会実装を目指す「東京ベイeSGプロジェクト 先行プロジェクト」において、国内初の洋上浮体式太陽光発電、自動航行帆船の技術実証提案が採択 ~最先端テクノロジーの社会実装と環境配慮で、東京ベイエリアでのエネルギー地産地消実現をめざす~(2022/12/08)」
国内初の試みを、信頼できる企業へ任せたい
本プロジェクトでは、洋上風力など国内の先進的な取り組みを行っている関係者と協議した上で、これまでにない先進的な洋上太陽光発電の取り組みを行うこととなったと渡邉氏は説明する。
KCCSでは、この「洋上浮体式太陽光発電」の設計から設置工事までを支援している。洋上への太陽光発電システムの設置は国内初となるため、実績のある企業がない中で設置工事のパートナーとしてKCCSを選定した理由について渡邉氏は「ルーフトップ事業での実績」を挙げた。
KCCSは東急不動産が保有する物流施設への屋根設置型太陽光発電システム設置を行ってきた。そのため東急不動産社内でもKCCSの施工実績や品質を評価する声が上がっていたと渡邉氏は説明した。
制限の多いプロジェクトでのフレキシブルな提案
設置工事開始当初は、過重制限の問題などにより大型クレーンの使用が制限されていた。その課題に対してKCCSと連携し、さまざまなパターンを想定した上で過重制限をクリアし、大型クレーンを使用できるよう東京都と協議を進めたという。
また本プロジェクトで使用するアルミ製の部材を組み上げ、海へ浮かべるといった施工方法はかなり特殊だったという。単に部材を運んできて現場で組み立てるという簡単なものでないため、オランダの技術者と直接コミュニケーションを取りながら一つ一つがレベルの高い施工だったと渡邉氏は振り返る。
さらに施工スケジュールについては、部材輸入の時点で約1カ月の後れを取っていたが、施工後のイベントや補助金を申請するための期日も決まっていた。そのためKCCSでは人員の確保やよりスムーズな部材の配送手配など、できる限りの調整を行い予定通りに設置工事を完了させた。
こうして国内初となる「洋上浮体式太陽光発電」は2024年5月に完成。洋上ということもあり、台風シーズンなどの強風に耐えられるかなども検証しながら、順調に発電を実施した。
グループを挙げて再生エネルギーの活用を加速
国内初となる洋上太陽光発電の設置や、保有施設への屋根設置型太陽光発電システムによる、環境経営を推進する東急不動産。
系統用蓄電池※5導入など新しい技術を取り入れることも視野に入れているが、他の電力とのエネルギーミックスや、カーボンニュートラル社会の実現に向けては、まだまだ道のりは長いと捉えている。「新しい技術も惜しみなく取り入れつつ、ぜひ引き続きKCCSにもご支援いただきたい」と谷氏は述べる。
※5 電力系統(発電所から送配電まで電力の関連システム全体の総称)につないで利用される蓄電池
また今後は、自社や施設利用企業内での電力活用のみならず、東急不動産の100%子会社である「株式会社リエネ」と連携した電力小売り事業にも力を入れ、グループを挙げての再生エネルギーの活用を加速させていく方針だ。
掲載日:2025年4月24日
取材日:2024年9月12日
- 本社所在地:東京都渋谷区
- 設立:1953年12月
- 従業員数:1,254名(2025年4月1日現在)
- URL: https://www.tokyu-land.co.jp/
- 記載の製品ならびにサービス名および会社名などは、それぞれ各社の商標または登録商標です。
- サービス内容は予告なく変更する場合があります。
- 掲載されている情報は、発表日現在の情報です。最新の情報と異なる場合がありますのでご了承ください。
- KCCSは京セラコミュニケーションシステムの略称です。