北海道農業共済組合 Amoeba Pro 管理会計クラウド

管理会計コンサルとシステム導入を一体で推進し、部門別採算の「見える化」を実現

組合の合併に伴い、バラバラだった管理ルールの統⼀と
システム導⼊をサポート
現場の採算意識を⾼め、顧客に価値を還元できる強い組織づくりを⽀援

北海道農業共済組合

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選定ポイント 選定ポイント

  • 管理会計に関する知識と経験に基づく調査、実運⽤を⾒越したアドバイス

  • 業務整備のコンサルティングからシステム導⼊まで⼀体で⾏える総合⼒

導入の効果 導入の効果

  • システム導⼊により集計作業の負荷が軽減、現場の職員も数字の閲覧が容易に

  • 部⾨ごとの数字の「⾒える化」で現場の採算意識が向上、全員参加で経営改善を⽬指す体制へ

導入したシステム/サービス

Amoeba Pro 管理会計クラウド

  • Amoeba Pro 管理会計クラウド
  • 「Amoeba Pro(アメーバプロ)管理会計クラウド」(以下、Amoeba Pro)は、企業の成⻑発展に⽋かせない「経営改善・意思決定のスピード向上」をサポートするクラウドサービスです。計画・予定の⽴案から、実績の集計作業を効率化し、⾃由度の⾼いレポート、グラフによる分析を⾏うことが可能です。部⾨別に加え、商品別やプロジェクト別などのさまざまな切り⼝で多⾓的に分析し、企業の実態把握に貢献するとともに改善点を具体的に洗い出し、改善スピード向上をサポートします。
製品ページ

お客様インタビュー

  • 森谷 浩明様

    参事 獣医師

    森谷 浩明 様

  • 浦田 健一様

    十勝統括センター センター長

    浦田 健一 様

  • 草薙 龍様

    総合企画室 課長

    草薙 龍 様

北海道の5つの農業共済組合が合併。
しかし、それぞれの経営状況も管理もまちまち

全国の耕作地の約4分の1を占める北海道は、その広⼤な耕作地や豊かな⽔資源など恵まれた条件を⽣かし、稲作、畑作、酪農など地域ごとに特⾊のある農業を展開しています。また農業経営体の数は約32,000で、その7割を超える経営体が経営耕地⾯積10ha以上という⼤規模農業が盛んな地域でもあります。この⽇本最⼤の⾷糧⽣産地である北海道の農業経営を下⽀えしているのが北海道農業共済組合(以下、NOSAI北海道)様です。同組合は2022年4⽉に全道各地域の5つの農業共済組合が合併して発⾜しました。職員数は約1,300名(2025年4⽉現在)、全国で最⼤規模の農業共済組合として、農作物の災害や家畜の疾病などから農業経営を守る農業保険事業を実施しておられます。
NOSAI北海道様は無保険者ゼロを⽬指して「すべての農業者に安⼼を届ける」ことを使命に農業保険加⼊率向上に取り組んでいますが、5つの旧組合で加⼊率に差があり、収⼊も経営状態もバラバラだったといいます。また旧組合ごとに会計伝票処理単位も違っていたことから管理の効率化や情報の⼀元化、さらには組合全体の財務健全化が課題となっていました。

財務健全化、部⾨ごとの収益と現場意識の改善に向けて、
まずは組合内部で管理会計の導⼊を開始

「合併して経営の合理化を進めるためには、賦課⾦の統⼀という⼤きな課題がありました」と参事の森⾕ 浩明 ⽒は振り返ります。

農業共済組合の収⼊は、国からの補助⾦、賦課⾦(⼿数料)などに分かれます。補助⾦で賄いきれない業務⽀出部分を各組合員(農業経営体)から賦課⾦の形で負担してもらい事業が運営されていますが、この賦課⾦の単価は5つの旧組合によって異なっていました。組合を合併した以上はこの単価も統⼀しなくてはなりませんが、その場合は単価の⾼い組合に合わせるのではなく、単価の低い組合になるべく合わせて平準化していく必要がありました。

お話する森⾕⽒

平準化のためには、今の経営状況をさらに改善することが必要となります。


「これまでの賦課単価がある程度下がっても、つまり、NOSAI北海道の収⼊が下がっても変わらずにサービスを提供できる経営状況を⽬指そうと⽬標を掲げました」と森⾕⽒。

その⽬標に⼤きく⽴ちはだかったのが、現場ごとの採算意識の隔たりでした。

 

 

 

「現場の職員が⾃分ごととして部⾨の数字を⾒て積極的に改善に取り組む、そうした現場職員の意識を⾼めるための仕組みが何としても必要でした」と森⾕⽒は語ります。

 

まずは「今の経営状態を“⾒える化”するための指標」として管理会計の導⼊を決めました。森⾕⽒と⼗勝統括センター⻑の浦⽥ 健⼀ ⽒(当時 総合企画室次⻑)が中⼼となり、以前から注⽬していた⼩集団に分けた部⾨別採算管理の⼿法を参考に、管理会計ルールを組合内で策定。そのルールに基づく管理会計の試⾏運⽤を2024年の夏から進めました。

 

 

各統括センターと各部門の収益改善を目指し、管理会計の導入へ

組合独⾃に管理会計を試⾏運⽤。しかし実運⽤に向けて問題が続出

しかし、管理会計を⾏う以前の問題がありました。各部⾨の数字は財務会計のデータを使い集計するのですが、⽀所、診療所からのデータはすぐに揃わず、揃ったとしても会計伝票の精度もバラバラで、まずはそのデータの整理から始めなくてはならなかったのです。さらに、Excelベースの集計業務の負荷が予想をはるかに上回るものでした。

管理会計の実施にあたって部⾨ごとの集計作業を担当した総合企画室課⻑の草薙 ⿓ ⽒に当時の状況を伺いました。

まずはデータ整理の問題です。管理会計では部⾨ごとに数字を⾒なくてはいけませんが、当時の財務会計では旧5組合の⼤きな単位で⼀括して伝票を起票していたそうです。

お話する草薙⽒

⽀所や診療所単位に会計伝票を分けてないところが多く存在したため、そうした部⾨の伝票を⾒ながら、数字の分解作業をまず⾏いました。それも⼿作業で。それが⼀番苦労したところです」と草薙⽒。

草薙⽒は、⽀所や診療所ごとに分けて会計伝票を起票してほしいという呼びかけを経理グループを交えて何度も繰り返したのだとか。その働きかけにもかなりの時間と⼿間がかかったのだそうです。

データの集計にかかる業務負荷も問題でした。会計や労働時間などの様々なデータを集め、その集計作業を当時はExcelで⾏っていました。部⾨ごとに数字を分解、加⼯しながら取り込むだけでも、当時は1週間ほどの⽇数を費やしたそうです。集計時には他の業務がほとんどできない状態だったと草薙⽒は振り返ります。

しかし、各部⾨を横串で管理できるようにやっとの思いで作り上げたExcelファイルはデータ容量が膨⼤で、ファイルを開くだけでもじっと待つ必要があるほどでした。計算式を⼀つデリートするだけでも⾮常に時間がかかり、また、ファイルを提供した先の各部⾨でもその扱いには苦慮したといいます。

「容易に数字が⾒られず、それも限られた担当者にしかデータが使えない状況でした。Excelファイルを作った私にしか数式がわからないということもあり、業務が完全に属⼈化していた点も⼤きな問題でした」と草薙⽒。

お話する浦田⽒

また、データの集計では経営視点からの課題もありました。草薙⽒とともに導⼊プロジェクトを担当していた⼗勝統括センター⻑の浦⽥⽒が付け加えます。

「国からの補助⾦、賦課⾦などは特定の⽉にまとめて⼊⾦されるのですが、会計伝票通りの収⼊とすると、収⼊が⼀つの⽉に偏ってしまい⽉次推移が⼤きく変動してしまいます。こうした補助⾦などの収⼊をどのような形で振り分けるべきか、そんな課題も同時にあって、いろいろと試⾏錯誤していました」

KCCSのコンサルとともに管理ルールと運⽤⽅法を整備。
その後、管理会計システムを約4カ⽉の短期間で導⼊

壁に直⾯したNOSAI北海道様は、外部の専⾨家の客観的な評価を求めることを決め、「組合で決めた会計種別やルールは妥当なのか?」「Excelでのデータ集計や採算データ共有はこれで適切なのか?」といった疑問を解消するため、管理会計に定評のあるKCCSのコンサルタントに相談しました。

管理会計導⼊に向けた業務整備のコンサルティングを担当したKCCSの秋⼭ 勝則コンサルタントが振り返ります。

「NOSAI北海道様の⽅で、概ね管理会計の⼟台となるものは作っていただいていました。ただ、実際に仕組み化し、実運⽤に乗せようとすると、⾃分たちが作ったもので合っているのかどうかという点がおそらく⼀番ご不安だったと思います。そういうところを我々はまずアドバイスさせていただいた形です」

KCCSは、まず現地の⽀所・診療所に⾜を運んでヒアリングと調査を⾏いました。

診療所を例にとります。KCCSは各診療所の収⼊と経費の内容に着⽬。ヒアリングを重ねる中で、現場職員の⽅々が⾃らの労働の対価を感じられ、⾃分の活動が数字として経営に貢献していると実感できるような仕組みづくりが必要と考えました。

秋山 勝則コンサルタント

(写真右)秋山 勝則コンサルタント(KCCS)

例えば家畜の診療報酬をもらうタイミングを、従来のように何度かの診療を重ねて治療が終わった時点で⼀括してお⾦を受け取ったものを収⼊として計上するのではなく、⼈間の病院のように⼀回の診療ごとに診療報酬を計算して計上する⽅式に変えるなど⾃らの労働対価を意識しやすい新しい⽅策を提案

また、NOSAI北海道様に⼊る国からの補助⾦も、本所で必要分を留保し、残りを事業規模に応じて各センターに振り分けられますが、各部⾨の現場職員の労働意識と採算意識をさらに向上させるような適切な配分にするためにもそのサポートの対価設定をどうすべきか、料率の決め⽅などを提案しました。

「我々なりの観点から員参加の組織づくりのためにどのような制度・ルールが良いかをNOSAI北海道様の業務内容や課題、理想像を深く理解した上で提案をさせていただきました」と秋⼭。

 

 

疑問と課題に応えるKCCSのコンサルティング

 

 

こうしてプロの視点からアドバイスを受け、複雑化していた内製の管理会計ルールは徐々に解きほぐされ、より汎⽤的な形で統⼀されていきました。この業務整備コンサルティングの段階を経て、KCCSは管理会計の効率的な実運⽤を⾒越してAmoeba Proのシステム導⼊を提案。2024年末からはKCCSのシステム導⼊チームがプロジェクトに加わり、統⼀された管理会計のルールをシステム設計に反映。そして各センターへの使い⽅説明会を経て、2025年5⽉にAmoeba Proが本稼働を開始しました。

システムの導⼊⾃体は⾮常に早く済みましたね。2024年12⽉中旬に始まった導⼊プロジェクトが約4カ⽉後の2025年4⽉にはほぼ完了していましたから。私たちの組合の会計は科⽬数も多く、しかも部⾨の数も多いので、各種の設定に時間がかかると思っていましたが結果的には⾮常にスムーズに導⼊できました」と草薙⽒。

ただ、設定の最終段階に来て、このままでは間に合わないというピンチもありました。その際は急きょ東京からKCCSの担当者が札幌に駆けつけ、1⽇かけて草薙⽒と対⾯しながら設定作業をしたそうです。そのおかげで作業は⼀気に進んで間に合い助かったと草薙⽒は語ります。

当時、札幌に駆けつけた担当の木村 鮎美

(写真右手前)当時、札幌に駆けつけた担当の木村 鮎美(KCCS)

「この時に限らず、普段のやりとりでもKCCSの担当者さんは不明点があると決して曖昧にせず、必ず確認して短時間で折り返して回答をくれます。これは、システムそのものの信頼感にもつながる⾮常に重要なポイントだと思いますね」

草薙⽒をはじめ、システムを使って千何百⼈の職員にデータを展開する⽴場の⽅にとって、設定が⼀つでも間違っていると多くの部⾨の⼈たちに迷惑をかけかねません。KCCSの担当者は常にそのことを念頭に置き、⼀つひとつの確認を疎かにせず、設定とシステム構築に当たっています。

このようにスムーズかつ着実に導⼊ができた理由は、 Amoeba ProがSaaS型のため短時間で導⼊・定着が可能だったこともありますが、「業務整備」と「システム」を分けることなく⼀体で推進したことが挙げられます。NOSAI北海道様の管理会計原案の⼟台のうえに、KCCSのコンサルティングを加え、組織づくりと管理会計の理想像を共有しながら運⽤ルールと制度をAmoeba Proに反映したこと。これが⼀番の成功要因だったとNOSAI北海道様は振り返ります。

また今回、組合内部だけではなく外部のベンダーを⼊れたことによる別のメリットも感じられたといいます。内製の管理会計ルールを組合内で周知しようとすると少なからず抵抗があったそうですが、KCCSが外部の専⾨家として現場に⾜繁く通い、採算を正しく⾒るための管理ルールや運⽤⽅法について説明を繰り返し⾏ったことで、現場の意識がみるみる変わっていくのを⽬の当たりにしたと浦⽥⽒。管理会計ルールの決め⽅などに関する外部のプロ視点からのコンサルティングはもちろん、システムの運⽤周知、定着の⾯でも利点を感じられたようです。

 

調査・提案から運用・定着まで、KCCSの総合サポート

 

部⾨別数字の「⾒える化」により、
現場の採算意識が向上し、部⾨間協働の兆しも

Amoeba Proを導⼊してから4、5カ⽉が経過し、導⼊による効果や反応が早くも様々なところに現れているそうです。

まずは、Excelベースの集計作業でかかっていた負荷はシステム導⼊によって、⾶躍的に改善されました。Amoeba Pro導⼊後は、共通の業績管理の指標で管理会計ができるため、集計作業は1週間以上かかっていたものが1⽇程度で完了するようになったと草薙⽒は語ります。

「各センターに運⽤プロジェクトのメンバーを置いて、そこでちゃんとルールに沿って伝票を起票してくれるようになったことも⼤きいですね。KCCS様のサポートで進めた意識改⾰の賜物です。ようやく会計データをそのまま全て取り込める形になりました

また、以前は限られた⼈間しか⾒られなかった数字の内訳・明細も、今では誰でもAmoeba Pro上で閲覧可能となりました。財務会計システムで⾒るよりも速いと⾔って、現場の経理担当の⽅々もAmoeba Proを⾒ている⼈が増えているのだとか。
⼩集団ごとに管理する会計の考え⽅とシステムが⼊り、部⾨ごとの採算が「⾒える化」された効果も伺いました。
「各センターの中も家畜共済担当、収穫物共済担当、総務担当などは縦割りで部⾨間の交流があまりなかったのですが、最近では、収穫物共済担当の業務職員と、家畜共済担当の獣医師職員が⼀緒になって⽀所・診療所に管理会計実施状況の確認に⾏くなど、これまでにない交流と協働が始まっていると聞きます。これも部⾨の採算が現場でわかるようになった効果の⼀つと⾔えそうです」と浦⽥⽒。

その他、各部⾨の現場職員のコスト意識が⾼まっている様々な例を伺いました。お客様である組合員の皆様へのサービス還元のために採算意識を⾼めて業績向上を⼀⼈ひとりが⽬指す、そんな全員参加型の強い組織への変化の兆しが⾒え始めているようです。
 
管理会計ルールの整備とシステム導入の結果、全員参加型の組織へ

 

 

 

管理会計データを活⽤し、北海道の農家のためになる組織経営をこれからも

最後に、管理会計データを活⽤しての今後の展望その他について伺いました。

 

森⾕⽒「やはり、“賦課⾦の統⼀と拠点の平準化”を実現することです。そのためにも現状の地域格差、経営格差を⾒るための指標が必要です。労働時間あたりの採算を管理会計で詳しく⾒せることで、事業や地域によって仕事の効率に差があることがわかります。その根拠となる数字があって初めて、職員の⽅々も納得いただいた上での適切な⼈員配置や拠点の再編が計画できます」

 

 森⾕⽒のお話では今はそのような活⽤の検討を始めた段階だそうで、部⾨ごとに細かく経営状況の検証を⾏いながら令和13年(2031年)の賦課⾦の統⼀に向けて経営格差縮⼩の取り組みを進めていくとのことでした。

 

「システムだけ⼊れても、全てがうまくいくわけではありません。理念に共感しつつ、経営と現場の両⽅の視点から私たちの財政健全化の取り組みにアドバイスをくださるKCCS様のような⼈たちがいないと上⼿くいきません。でないと、以前のように属⼈化するような弊害もたびたび起きてくるでしょう。今後もKCCS様にはパートナーとしてのサポートを期待しています」

 

北海道農業共済組合様とKCCSの集合写真(左から)森谷 浩明 様、浦田 健一 様、草薙 龍 様(以上 北海道農業共済組合)、
小林 瞳、木村 鮎美、秋山 勝則、赤松 直樹(以上 京セラコミュニケーションシステム株式会社)

 

 

掲載日:2026年1月15日

取材日:2025年9月25日

北海道農業共済組合
  • 北海道農業共済組合
  • 本所所在地:北海道札幌市
  • 設立:2022年4月
  • 職員数:1,302名(2025年4月現在)
        うち事務職員459名
        獣医師(動物看護師を含む)753名
        授精師90名
  • URL: https://www.nosai-do.or.jp/
台⾵や冷害、⼲害等による農作物被害、⽣産財としての家畜の死亡時など、農家経済の損失を保険の仕組みを活⽤して素早く補てんする農業保険制度をもとに、「すべての農業者に安⼼を届ける」を使命に⽇々活動されています。
  • 記載の製品ならびにサービス名および会社名などは、それぞれ各社の商標または登録商標です。
  • サービス内容は予告なく変更する場合があります。
  • 掲載されている情報は、発表日現在の情報です。最新の情報と異なる場合がありますのでご了承ください。
  • KCCSは京セラコミュニケーションシステムの略称です。

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