奈良市立図書館様は書架案内ロボットや図書受取ロッカーをはじめ、電子図書館やオーディオブックといった新しいサービスも次々と取り入れて運営されています。それらの連携のベースとなっているのが、2020年1月に導入したKCCSの公共図書館システム「ELCIELO」です。
「ELCIELO」と図書受取ロッカーの運用を始めてからの顕著な傾向として、今まで図書館を利用していなかった新規の登録者・利用者が増えた点が挙げられるそうです。
「ロッカーと『ELCIELO』連携の大きな特長、それは完全なオンラインの形で、図書館に来なくても本の貸出利用ができるということです。図書館を使いたくても遠いとか、忙しいなどの理由で使えないでいた層にアプローチできるようになったのは喜ばしいと思っています。このことは図書館員にとってもやりがいにつながるものだと思っています」と村田氏。利用データによると、わずか3カ月の間に20代~50代では図書館本館よりも図書受取ロッカーの利用割合が高くなっていることがわかります。
最後に、図書館としての課題や、今後の展望について話を伺いました。
「一つは、図書館システムの検索能力というものがまだまだ完全一致しか基本的に受け付けず、一般的なネット検索のようなユーザビリティが得られないのは問題だと考えていまして、AIを使った検索機能を『ELCIELO』上に今後取り入れて、検索システムの高度化を図っていくことをKCCS様に相談しているところです」と村田氏。
一般社会では当たり前に普及しているのに、図書館ではまだそれが実用化されていないことも多いと村田氏は話します。
左から、村田 直史様(奈良市)、書架案内ロボット「しかまろくん」、内田 雄規(京セラコミュニケーションシステム株式会社) 「オンラインの利用登録一つとっても、例えば銀行などでは店舗に来ない状態での本人認証は一般的になってきていると思います。こうした、世間で常識になっていることを少しでも取り入れていきたい。図書館は、図書館情報学という学問があるように情報の世界を扱っているはずなのに、ICTやDXで世間の水準よりも低いようではいけないと考えます。将来の“ビジョン”をKCCS様と語らいながら、パートナーとして、一緒に図書館運営や図書館システムをレベルアップさせていければと思います」
左から、村田 直史様(奈良市)、書架案内ロボット「しかまろくん」、内田 雄規(京セラコミュニケーションシステム株式会社)
掲載日:2025年9月10日 取材日:2025年6月23日